チェスの遊びかた その2

前回はチェスを遊ぶ上での土台について記録した。
今回はチェスの戦略について触れる。
コマの配置パターン、そのパターンに持ち込めばこちらが有利になるパターンを中心に記録したい。

他にもゲームを進める上での考え方も記録しよう。

まずは戦略パターンをライブラリ形式で記録する。
白が自分。
黒が相手として説明する。
*画像はクリックで拡大する



チェック

あともう一手で相手のキングを討ち取れる状況。
もしこちらがチェックされたら次の方法で回避しなければならない。
  • キングを相手に取られない場所に移動する
  • キングと相手のクイーンの間に、自分のコマを挟む(コマを盾として使う)
  • あるいは単純にチェックしているコマを取る
チェックをされると、コマの移動にかなりの制限がかかるので、
戦略上とても不利になる。




チェックメイト

これはチェックされてしまい
どの回避方法をもってしても、チェックを回避しきれない状況
つまり、チェックメイトされれば負け、すれば勝ちなのである。




ステイルメイト

前回の記録に記録し忘れた部分があった。
チェスはパスができないというルールだ。
このルールがあるために起こるのが、ステイルメイト。
これはなにかというと、
チェックはされていないが動かすことの出来るコマがない状況だ
このステイルメイトになった場合、そのゲームは引き分けとなる。
図の時、相手の番だったとすると、
現状ではチェックはされていない。
キングしか残っていないので、もちろんキングしか動かせない。
しかし、キングを動かしたくても、動かすと必ずチェックメイトされる。
これがステイルメイト。
もし自分が絶望的な状況になったら、
このステイルメイトに持ち込んで負けだけは避ける、
ということもできる。




昇格

自分のポーンが一番奥まで進んだとき、
このポーンは次のコマの内、どれか1つに変身する。
自分側から見て、ポーンが盤面の一番奥まで進めたら昇格できる。
昇格でクイーン・ルーク・ビショップ・ナイトのどれか1つに変身するが、
後に説明する戦力を考えると、
たいていの場合クイーンに昇格するといい。
例外はあるけれど…。
クイーンに昇格したいけど、クイーンのコマが足りない場合、
ルークを逆さまにして代用することも出来るらしい、、、




キャスリング

図の配置で、なおかつ条件がそろうと、
まるでルークがキングを隠すかのように動かすことができる
しかも1手で。
この特殊な動きをキャスリングと呼ぶ。
この動きをするための条件は、
  • キャスリングはキングとルークの組み合わせのみ。
  • キングとルークの間にコマがない。
  • キングとルークを、ゲーム中まだ1回も動かしていない。
  • チェックされていない。
  • キャスリング時にキングが通過するマス(キングの初期位置より横2マス)に敵の攻撃が及ばない。
ことである。なお公式ルールでは、
  • キャスリングする時、両手を使ってはいけない。
  • キングを先に動かしてから、ルークを動かす。
  • キングとルークが、盤面の横一列で揃っている(同ランクにいる)。
といったことが追加される。
ちなみに、
この技は盤面の左右どちら側にも行うことが出来る。
次の図は左(クイーン側とも呼ぶ)にキャスリングした場合である。

*自分からみて盤面の、
右側のことをキング側、
左側のことをクイーン側、と呼ぶこともある。




アンパッサン

敵のポーンをアンパッサンで取る場合の説明
敵のポーンが2マス進んできたとき、
敵のポーンが進み飛ばしたマスを、ポーンでなら取ることが出来る
アンパッサンとは、ポーンだけに起こる特殊な取り方である。
ポーンはそれぞれ最初の移動の時だけなら2マス進むことが出来る。
2マス進んだ時に限り、進み飛ばしたマスをポーンに取られてしまうのだ。
これは昔、ポーンが1マスのみしか前進できない、
というルールだったころの名残りらしい。
2マス進んだために次の番にのみ、
通過したマスにポーンの残像が残っている、という感覚。
で、その残像をポーンでのみ取ることが出来るというのがこのアンパッサン。
つまり、このアンパッサンはポーン同士でないといけない。




フォーク

図のビショップのように、
1つのコマで複数の相手のコマを攻撃できる状況
この効果が大きくなる使い方として、チェックとの組み合わせがある
その場合、相手はチェックを回避しなければならないので、
チェック回避のために一手を消費しなくてはならない。
すると、動かせなかったもう一方のコマは取られてしまう。
上手くフォークに持ち込めば、確実に相手のコマを取ることができる。
しかし、図のようなフォークでは、
ビショップが相手のキングによって取られてしまうので意味がない。




ピン

これは相手のコマを動かせなくする技
なぜ動けないのか?
それは図を見てもらえれば分かる。
相手の番のとき、ビショップは動きたいのだが、
動くとキングをチェックされてしまうのだ。
それでは負けてしまうのでビショップはどうしても動けないのだ。




スキュア

これはピンを利用して相手のコマを確実に取る方法である。
相手の番だとすると、
ビショップはピンされていて動けない。
なので、相手はピンから開放されるため、キングを動かすだろう。
しかし、キングを動かすということはビショップを犠牲にするのと同じことになる。
なぜならビショップは、次のこちらの一手でルークに取られてしまうからだ。
スキュアは串刺しを意味するとおり、
図の状況でルークは、相手のビショップとキングを串刺しにしているのだ。




ディスカバードアタック

自分の番だとする。 
ここでビショップを動かすことで、
うしろにいたルークが相手のキングをチェックできた。
このように自分のコマを動かすことで、
うしろにいたコマが攻撃することが出来るようになる状況
これがディスカバードアタック。
特に図のようにディスカバードアタックでチェックに持ち込めた状態を、
ディスカバードチェックと呼ぶ。
また図の場合、相手はチェックを回避するために、
クイーンを犠牲にしなくてはならないのだ。




勝敗と引き分け

勝ち負け、引き分けになる条件をまとめる。

勝ち
  • 相手をチェックメイトしたとき。 
  • 相手が降参した時。

引き分け
  • ステイルメイトになったとき。
  • チェックメイトが出来るだけの戦力が残っていないとき。
  • 3回コマの配置が同じ位置になったとき。
  • 50手動かしてもチェックが起こらなかったとき。
ちなみに1ゲーム中に何度もコマが同じ配置になってしまうゲームのことを、
千日手 (せんにちて)
と呼ぶ。引き分けになる条件の中には、
この千日手を回避するための条件が含まれている。




記録したかった戦略は以上だが、
組み合わせ技なども合わせればより多くの技がある。
では次で最後になるのだが、戦力の考え方を記録する。

戦力

この戦力という考え方を知っておくと、
ゲームの進め方が幾分楽になる。
チェスの戦力は次のように、ポイント(点数)であらわす
クイーン:

ルーク:

ビショップ:

ナイト:

ポーン:
コマを取られたら、該当するコマのポイントをマイナスする。
この戦力の合計点が多い方が有利だ。

しかし戦略次第で、この戦力の考え方による有利も、不利になる場合がある。
いくらポイントが有利でも、
結局、勝敗は腕次第なのだ
そこにもチェスの魅力があるのかもしれない。


チェスはボードゲームであると同時に、
スポーツでもあり
科学でもあり
芸術でもあるそうだ。



画像はWindowsのChess Titansでした。
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