PORTALは、1から2になってCo-Op(Cooperative)プレイが追加された。Co-Opプレイは、その進化がとても大きいことを実感できる要素の1つになっている。1人でも十分に楽しめるパズルアクションゲームは、2人で解けば更に楽しめるようになる。そんなことで、今回は、このCo-Opプレイ用テストチェンバーの作成について記録する。
大まかな流れは次の通りである。
- func_instanceを用いてスタート地点とゴール地点を設置する。
- その2地点間に、今までと同じように、マップを作成する。
- PORTAL2を、開発者向け環境に設定する。
- コンソールからカスタムマップを読み込んでテストラン!
1、スタートとゴール地点の設置
func_instanceを配置する。
プロパティ"VMF Filename"を"instances/coop/coop_spawn_room.vmf"にする。これが、Co-Opプレイのスタート地点となる。
もう1つfunc_instanceを配置する。
プロパティ"VMF Filename"を"instances/coop/coop_endlevel_room.vmf"にする。これが、Co-Opプレイのゴール地点となる。
もし、func_instanceでVMFを読み込んでも、マップが表示されない時は、一旦セーブして(File > Save As...)からマップを閉じ(File > Close)、再びマップを読み込むと(File > Open...)表示される。
↓チェック↓
セーブする時はファイル名の先頭を、"mp_coop_"にしなければならない。
例)mp_coop_testmap.vmf
また保存先も、デフォルトの"maps"フォルダでないと、上手く起動できない。
2、マップを作成する
ステップ1で設置したfunc_instance間(スタート地点とゴール地点間)にマップを作成する。この作成方法は今まで通り。詳細はPORTAL2 テストチェンバー製作記録群を参照。
ステップ1で設置したfunc_instance間(スタート地点とゴール地点間)にマップを作成する。この作成方法は今まで通り。詳細はPORTAL2 テストチェンバー製作記録群を参照。
3、PORTAL2を開発者向けに設定する
開発者コンソールを有効にする。シングルプレイ用カスタムマップのテストラン方法は、Hammerの"Test Run"でコンパイルをしてからテストランをする、という流れだった。Co-Op用カスタムマップのテストランはそれとは違い、先にゲームを起動して開発者コンソールを起動、コマンド操作でカスタムマップを読み込んでロード、テストラン、という流れになる。開発者コンソールはHammerからは操作できない。ゲーム中にしか起動できないようになっているからだ。
まずPORTAL2を起動して、スタートメニューより"設定 > キーボード/マウス"を選択。"開発者コンソールを許可"を有効に設定する。
まずPORTAL2を起動して、スタートメニューより"設定 > キーボード/マウス"を選択。"開発者コンソールを許可"を有効に設定する。
次に、開発者コンソールを開くためのショートカットキーを割り当てる。デフォルトでは、「`」キーで開くの設定なのだが、日本語環境だと上手く動作しない場合があるので、別のキーを割り当てる。ここでは「X」キーを割り当てた。"設定 > キーボード/マウス > キー/ボタンの編集"を選択して、"開発者コンソールON/OFF"のキーを編集する。
この設定をすることで、ゲーム中に設定したショートカットキー(ここではX)を押すだけで、開発者コンソールを起動できるようになる。
4、コンソールを操作してテストランをする!
ステップ4では、コンソールの操作法とコマンドを記録する。Co-Op用カスタムマップだが、テストランは1人でも行える。ここでは1人でテストランをする方法について記録している。
PORTAL2を立ち上げて、スタートメニューの"シングルプレイヤー"をクリック。カチャカチャと音を立ててメニューが切り替わっている最中に、開発者コンソールON/OFFのショートカットキーを押す。もしコンソールが表示されない場合は、通常通りにゲームを開始(どのステージでもいいのでゲームを開始)し、ゲームプレイ中にショートカットキーを押せばよい(本当はこちらが正しい起動方法)。
開発者コンソール画面 |
コンソールが起動したら、
ss_map カスタムマップ名と、コマンド入力する。"カスタムマップ名"の部分は、先のステップで保存したファイル名(mp_coom_~.vmf)を入力するのだが、拡張子の".vmf"は入力しない。これで1つのディスプレイをスプリット(2分割表示)で表示するようになる。また、入力したカスタムマップをロードしてプレイできるようにする。カスタムマップのロードが完了したら、いよいよゲームが開始される。Co-Opは2人でプレイするものだが、今は1人でプレイしているはず。ということは、プレイヤーの切り替えが必要になる。なので次に、プレイヤー1(Atlas)とプレイヤー2(P-Body)を、自由に切り替えられるようにする設定する。その前にチートコードの許可を有効にする必要がある。
sv_cheats 1sv_cheatasはチートコードの許可を設定するためのコマンド。1で有効、0で無効になる。それでは、プレイヤーを切り替えるためのコマンドを紹介しよう。
in_forceuser 1ゲーム開始時のパラメータは0で、プレイヤー1の操作を意味する。この設定のパラメータ1はプレイヤー2の操作を意味する。しかし、いちいちこのコマンドを入力していては効率が悪い。このコマンドをショートカットキーに割り当てよう。
BindToggle "z" in_forceuserBindToggleに続いて、割り当てたいショートカットキーをダブルクオーテーションマークで括る(この場合「z」キー)。ショートカットキー設定の後ろに値を切り替えたいコマンドを入力する。その時、in_forceuserのパラメータ(0か1)の入力は必要ない。上記のコマンドを入力すると、「z」キーを押すだけでプレイヤーを切り替えることができるようになる。もし、上記のコマンドで上手く動作しない場合は、zを括っているダブルクオーテーションマークを取り除くことで、上手く動作するようになるかもしれない。
もし、現状の画面分割表示が気に入らない場合は、次のコマンドを入力して表示方法を変更しよう。
ss_splitmode 11で上下に分割、2で左右に分割表示するようになる。
カスタムマップのゴール地点まで行くと、ボットたち(AtlasとP-Body)の分解シーンが流れ、その後ロード画面に移るが、次のステージを用意していない場合、ずっとロードしたままになってしまう。そんな時は、
exitコマンドを入力して、そのゲームから脱出(EXIT)しよう。
今回の記録はこれで閉じるが、すべてのコマンドを紹介しきれたわけではない。他にもコマンドは多数存在する。全コンソールコマンドはここを参照。PORTAL2のCo-Op用コマンドはここを参照。しかしテストランなら、今回記録したコマンドだけで、大抵の場合は間に合う。
今回の記録では、Co-Opカスタムマップを作成するために必要な基礎知識が整った。次回は、Co-Op用ドアの設置について記録する予定である。
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https://www.storange.jp/2011/10/portal2-co-op-1.html
https://www.storange.jp/2011/10/portal2-co-op-1.html
PORTAL2 Co-Op マップ作成1
2011-10-12T00:00:00+09:00
https://www.storange.jp/2011/10/portal2-co-op-1.html
Hideyuki Tabata
Hideyuki Tabata
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