映画館へただいま

夢の製品を、ついに買ってしまいました。
VIVITEK社製モバイルプロジェクタ"QUMI Q2"。購入するにあたって、このプロジェクタを選んだ理由は3つあります。
  • LED光源の採用
  • 軽量小型
  • 価格
それぞれについて説明して行きます。

LED光源の採用

ここに一番惹かれました。下に、従来のプロジェクタに使われてきた水銀ランプと、今回購入したQUMIに採用されているLEDランプとの比較表を作りました。
LED比較水銀ランプ
30,000寿命(Hours)2,000
かなり低い消費電力高い
ほどほど発熱かなり熱い
小型本体サイズ大型
不可能ランプ交換可能
300明るさ(ルーメン)2,000
明るさに不安がありますが、他の項目ではLEDが圧勝です。交換ができなくても問題ありません。なぜなら寿命が3万時間もあるからです。単純に考えて、毎日2時間の映画を一本ずつ観ても、ランプが切れるまでに40年かかる計算になります。ランプが切れる前に他の部分が壊れることでしょう。例えば映像を表示する部品です。
近距離から見た投影ピクセルが斜めになっている
通常のプロジェクタは、ランプよりも映像を表示する部品の方が弱く、長時間の使用により劣化し発色が悪くなるものです。このプロジェクタQUMIは、DLPという映像表示装置を組み込んでいるので、そういった劣化はまずないと思われます。とにかく、光源にLEDを採用したことは最も注目すべき点だと思います。

軽量小型

光源にLEDを採用したことで得られた恩恵もあり、本体がとても小さくなっています。本当の”手のひらサイズ”ってやつです。小さいので、設置場所にはまず困らないでしょう。
モバイルプロジェクタという種類に属する製品なので、スタンドアローンでの使用もできます。本体にUSBメモリもしくはMicroSDカードを挿入することで、プレゼンテーション用の資料をそこから読み出し投影してくれるそうです。付属のコントローラを使えばスライド移動操作もできるのでは無いでしょうか。
QUMIの”Q”を模したデザイン

価格

今までのプロジェクタは維持費のみならず、本体価格も高価でなかなか手が出せない印象でした。この製品はLED光源を採用しているので維持費といっても消費電力だけしかかかりません。本体価格も¥47,000(日本販売価格の目安)ほどなので、Apple社製品の第3世代iPad32GBモデルよりも安いです。プロジェクタをインターネット検索してみればわかると思いますが、プロジェクタ市場の解像度720pに対応しているLEDモバイルプロジェクタで¥47,000は安いです。
左から、電源入力、オーディオ出力、AV入力、USBコネクタ、MicroSDカードスロット、IR受光部、ミニHDMI、ユニバーサルI/O(メーカ独自の拡張ポート)。
コストパフォーマンスにおいても、この製品は優れています。前述のとおり解像度はHD720pに対応しており、入力インターフェースにはジャック形AV入力のみならず、付属ケーブルを使えばVGA端子(ミニDsub15ピン)やミニHDMI(タイプC)も備えています。光源にはLEDを使用しているので長寿命かつ低消費電力です。スタンドアローンでも動作します。

購入

これだけの利点があれば、迷いなくアマゾンの”購入”ボタンをクリックできます。…しかし、今回私がクリックしたのは”購入”ボタンではなく”Buy Now”ボタンだったのです!
家に帰るとAmazon.comから届いた箱が!
そう、購入決行日の2012年6月、1USD(アメリカドル)≒80円という円高でありました。そこで、アメリカのAmazonで購入、輸入すれば安く購入できるのでは無いかと考えたわけで、結果だけ述べますと、当日Amazon.co.jp(日本)では¥47,057、一方のAmazon.com(米)では$498.18、日本円に換算すると498.18に80を掛けますので、¥39,854(小数点以下四捨五入)!
購入日のレートによると本体価格は…
日本:¥47,057
米国:¥39,854
差額:¥7,203 お得!
お買い得です。
返信されたメールの一部。本体代以外に必要なお金はだいたい¥4,000弱。それでも¥3,000以上もお買い得になる。6月3日に注文して、実際に届いたのは7日。お届けの速さがAmazonであった。
ちなみに関税は¥0。浮いたお金でAmazonベーシックの”HDMI-ミニHDMIケーブル3m”も一緒に購入しました。
うわさのフラストレーションフリーパッケージで届きました。
QUMIの外箱をパカっと…

設置

といっても設置の労力の大半はスクリーンに向いただけで、プロジェクタ本体は自由に高さ調節できる台に乗せただけで済みました。スクリーンはファーストスクリーン社正面投影型スクリーン90インチ(アスペクト比16:9)。
型番はFS-90W
スクリーンを吊るすための金具。この金具とスクリーンとを付属のチェーンで結ぶ。ネジは2種類の長さが用意されていて、取り付け場所の素材に合わせて選択できる。今回は木の板に取り付けるので、短いほうのネジで固定した。
価格は¥10,800、送料¥500でした。だいたい3m10cmほど離れた位置から投影すると、スクリーンの大きさにぴったりおさまります。

試写

このロゴが表示された後、映像が投影され始める。
このロゴが表示されたらQUMIはもう投影準備完了です。電源スイッチを入れてからこのロゴが表示されるまでにかかる時間はわずか7秒たらず。立ち上がりが速いです。QUMIにはPS3を、QUMIと一緒に購入したHDMIケーブルで接続しました。PS3の出力解像度は1080pです。プロジェクタもその解像度を認識しますが、投影する映像は720pです。
PS3のホーム画面。もちろん画像の明るさ加工はしていません。
電源スイッチを入れてまず最初に気づいたことはプロジェクタの動作音です。静かです。
箱のつくりといい、本体のデザインといい、アップル製品を意識しているようにしか思えません。

ずっと投影を続けていると、ファンの回転数が突然早くなります。その時ファンの音が聞こえてきますが、接続元である第2世代PS3のほうがうるさいので、静音性に関して特に問題はありません。ECOモードというモードにすることで、より静音性が高まりますが、この場合輝度が少し犠牲になります。

ピント合わせは手動で、レンズ近くにあるダイヤルを回して行います。

1,2時間ぶっ通しで使っていると、温度変化による影響か、ファンの回転による揺れの影響か(といってもファンはいたって静かなのですが…あくまで推測です)ピントがずれることがありました。しかし、そのズレは映画の字幕が読めなくなるほど酷いものではありません。大抵の場合はずれませんし、私は特に気にしません。

動きの激しい映像(カーチェイスの場面でカメラを小刻みに揺らしながら撮影したもの)を見ていると、プロジェクタの発する”光の3原色”が目に付くような残像感があります(まさにこんな感じです。DLPの宿命なのでしょうか…)が、慣れてしまえば問題無いと思います。もともとプロジェクタというものは、普段なじみのある液晶ディスプレイよりも残像感が激しいものなのだそうです。さすがにこの点では液晶ディスプレイに負けます。

このプロジェクタを購入するにあたって一番心配した点は”輝度”でした。しかしプロジェクタの発する映像を観ていたら、そんな心配も飛んでゆきました。スクリーンもその点で大きな手助けをしてくれました。ファーストスクリーン社製のスクリーンは、高輝度かつギラつきの少ない映像を提供してくれます。とても観やすいです。

試しにPORTAL2をプレイしてみましたが、周りを暗くした影響か、画面が大きい影響か、すっかりValve独特の雰囲気に入り込んでしまいました。ラストシーンなんかはもう鳥肌ものでした。

付属品

付属品は以下の画像で確認できます。
いろいろ付いてくる。

画像左下から、専用ケース、ACアダプタ、リモコン、フェライトコア(ノイズ除去に用いる)、QUMI本体、電源ケーブル、HDMI-ミニHDMIケーブル(約50cm)、ミニHDMI-ミニHDMIケーブル(約50cm)、UniversalI/O-ミニDsub15(約45cm)、簡易取り扱い説明書と保証に関する文書とドライバCDのパック。

ケーブル類は短いので注意が必要。取説はiPodみたいに必要最小限すぎるものです。一番の問題児は付属の専用ケースです。

最初焦りました。画像は、写真を撮るために中身を見せているのではなく、ただ本体を入れるのがキツイだけです。入り切らないのではと思いましたが、無理してジッパを閉めると…一応入りました。しかし、これでは使う気に慣れませんでした。ケーブルやACアダプタ用のケースなのでしょうか?

設定

最後にQUMIの本体設定について記録してみようと思います。この製品はユニバーサル品なので、アメリカで買おうが、日本で買おうが、ちゃんと日本語設定画面(メニュー)を表示してくれます。確認したところ対応言語は24ヶ国語ありました。

映像モードという設定があり、ゲームモード、映画モード、プレゼンモード…と明るさや色合いのプリセットが変更できるようです。

アスペクト比も16:9、4:3、レターボックス、ネイティブ(入力に依存した比率だと思われます)、フィル(画面いっぱい)と変更可。

プロジェクタ本体が高さ方向に移動する分には、ある程度の台形補正もできました。が、あまり補正し過ぎると、画面の縦幅が狭くなってしまうので出来れば使いたくありません。またデジタルズーム機能が付いているので、映像がスクリーンから少しはみ出してしまった時でも、デジタル処理で映像を小さくできるので便利です。

投影方向も正面からのみでなく、本体を逆さにした時に映像が上下逆にならないように、映像自体を上下反転してくれたり、背面投影にも対応して左右の反転ができちゃったりしました。

その他にも、セキュリティロック(パスワード保護)機能、診断機能、本体キーパッド無効化機能、自動電源OFF機能、入力自動検知機能のON/OFF切り替え…などなど、十分揃ってました。

それともうひとつ。いい忘れていましたがQUMIには内蔵スピーカーがついています。音声確認用程度の音質ですが、発せられる音の内容は十分に理解できます。そのスピーカーのミュート機能やボリューム調整もできました。

これらの設定は、すべてリモコンから行えます。また、本体上面にキーパッドがあるのでそこからも行えます。ちなみに、リモコンは電池駆動で、CR2025という型のボタン電池を使っていました。

以上、VIVITEK社製モバイルプロジェクタQUMI Q2の紹介を、使用してみての感想も含めて記録しました。なかなか良い買い物です。プロジェクタを個人で所有してみたい、かつなるべく安い値段で手に入れたいという野望をお持ちの方は、購入してみてはいかがでしょうか。
1318085258271255949 https://www.storange.jp/2012/06/blog-post_30.html https://www.storange.jp/2012/06/blog-post_30.html 映画館へただいま 2012-06-30T12:12:00+09:00 https://www.storange.jp/2012/06/blog-post_30.html Hideyuki Tabata 200 200 72 72