角度の表し方と比率についてのお話.
角度の表し方
Degree,Radian,Gradeの3種類があります.
円一周を360とする角度表現です. 単位は度. 1度は一周を360分割した角度です. Degは天体の動きを表したことに由来します. かつて一年を360日と定めていた頃,星は一日に一度づつ天をめぐり,一年経つと元の位置に戻ったことから,Degのような単位が生まれました. また360という数字は7以外の一桁の数字ならばいくつでも割れるような扱い易い数字だったため広く普及しました.
円一周を $ 2 \pi $ とする角度表現です. 単位はラジアン. $ \pi $ は円周率3.1415...を意味します. Radは円を上手に表現した角度表記です. 半径の長さに由来します. 例えば半径3の円を想像してみましょう. 円周上のある一点から,長さ3だけ円周上を移動しましょう. 今描いた弧は,角度1radです. 円周を半径の長さだけ進んだ時,描いた角度が1radです. 半径をrとすると円周の長さLは, $ L = 2 \pi r $ となります. これは円一周分の角度が $ 2 \pi $ であることを意味します.
円一周を400とする角度表現です. 単位はグラード. 1グラードは直角の100分の1です. GradはDegを十進数に対応付けようと生み出されました. よって一周が360のようなDegとは違い,十進数で区切りの良い400という数字です. 直角4つで一周. なので $ 100\times 4 = 400 $ です. しかし,残念なことにDegとRadの使い勝手が良すぎたためにあまり普及しませんでした.
Deg 度数法
円一周を360とする角度表現です. 単位は度. 1度は一周を360分割した角度です. Degは天体の動きを表したことに由来します. かつて一年を360日と定めていた頃,星は一日に一度づつ天をめぐり,一年経つと元の位置に戻ったことから,Degのような単位が生まれました. また360という数字は7以外の一桁の数字ならばいくつでも割れるような扱い易い数字だったため広く普及しました.
Rad 弧度法
円一周を $ 2 \pi $ とする角度表現です. 単位はラジアン. $ \pi $ は円周率3.1415...を意味します. Radは円を上手に表現した角度表記です. 半径の長さに由来します. 例えば半径3の円を想像してみましょう. 円周上のある一点から,長さ3だけ円周上を移動しましょう. 今描いた弧は,角度1radです. 円周を半径の長さだけ進んだ時,描いた角度が1radです. 半径をrとすると円周の長さLは, $ L = 2 \pi r $ となります. これは円一周分の角度が $ 2 \pi $ であることを意味します.
Grad グラード
円一周を400とする角度表現です. 単位はグラード. 1グラードは直角の100分の1です. GradはDegを十進数に対応付けようと生み出されました. よって一周が360のようなDegとは違い,十進数で区切りの良い400という数字です. 直角4つで一周. なので $ 100\times 4 = 400 $ です. しかし,残念なことにDegとRadの使い勝手が良すぎたためにあまり普及しませんでした.
比率の使い方
それぞれの表現には,それぞれの良い所があります. しかし,ひとつのものを表すのに3つもの表現方法があると,それらを使い分ける必要が出てきます. そのために相互変換が必要となります. ここで比率について触れておきましょう. 比率は分数で表します. 分母と分子. 元になるものを分母,比べる対象を分子に置くと,たいていの問題はうまく片付きます. 今回のお話ならば円です. たとえば,半円の角度は180度であり $ \pi $ ラジアンであり200グラードです. 度からラジアンへ変換する場合,度とラジアンの比率を知る必要があります. まず元になるもの"度"を分母に,比べる対象である"ラジアン"を分子に置きます. この時,同じ角度を表す数値で比率を取ります. 半円の角度なら3種類とも知っているので,それを使うと良いでしょう. こんなふうに,
$$ \text{度とラジアンの比率}=\frac{(Rad)}{(Deg)}=\frac{\pi}{180} $$
同じ半円という状態の角度で比率を取っています. 同じ状態で比率を取るので上手く行きます. 分母は直角の90度,分子は半円の角度である $ \pi $ ラジアン,というふうに別の状態を比率にしてしまうと上手く行きません. 小数点表記がお好きな方は自分の電卓で"分子÷分母"を計算してみましょう. その比率を変換したい数値に掛け合わせることで,変換結果を得られます.
$$ \text{変換元の数値}\times \text{比率}=\text{変換結果} $$
今は度(Deg)からラジアン(Rad)への変換を例に挙げているので次のようになります.
$$ Deg\times \frac{\pi}{180}=Rad $$
このように,比率を求めることで角度表現を相互に変換できるようになります.相互変換
下に比率となる分数と,角度表現間の変換例を示します. 下の場合は,半円の角度(180[度], π[rad], 200[グラード])という同じ状態を比べています.
Radへの変換
Degへの変換
Degへの変換
Degから...
Radへの変換
$$ Rad=\frac{\pi}{180}\times Deg $$
Gradへの変換
$$ Grad=\frac{200}{180}\times Deg $$
Radから...
Degへの変換
$$ Deg=\frac{180}{\pi}\times Rad $$
Gradへの変換
$$ Grad=\frac{200}{\pi}\times Rad $$
Gradから...
Degへの変換
$$ Deg=\frac{180}{200}\times Grad $$
Radへの変換
$$ Rad=\frac{\pi}{200}\times Grad $$
"度"から"ラジアン"への変換を例に,上の変換が上手くゆくことを確認しましょう. 元になる数値は一周が360のDeg,比べる対象は一周が2πのRadなので,次のように記せます.
このように,比率を用いれば異なる角度間を行ったり来たり,相互変換できるようになります.
$$ Deg\times \frac{2\pi}{360}=Rad $$
この比率(分数)は2で約分できそうです.
$$ Deg\times \frac{\pi}{180}=Rad $$
この変換を試してみましょう. 角度90度は何ラジアンでしょうか?
$$ 90\times \frac{\pi}{180}=\frac{\pi}{2}=1.5708... $$
答え:およそ1.57ラジアン(円周率の半分). 簡単ですね.
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https://www.storange.jp/2013/11/degradgrad.html
https://www.storange.jp/2013/11/degradgrad.html
DegとRadとGrad
2013-11-30T15:11:00+09:00
https://www.storange.jp/2013/11/degradgrad.html
Hideyuki Tabata
Hideyuki Tabata
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