Raspberry Pi - インストレーション

これから数回に分けて,Raspberry Pi (RPi) を使った監視カメラの作り方を紹介したい. Raspberry Pi(ラズベリーパイ)とは美味しそうな名前であるが,これはクレジットカード大の小型PCのことである. モデルはAとBに加えA+とB+という4種類がある. プラス"+"モデルは上位モデルという位置付けで,ポート(ピン)数の増加や音質回路の改善が施されている. モデルによる仕様の違いを下の表にまとめた.
Model AModel A+Model BModel B+
値段25ドル20ドル35ドル35ドル
メモリ256MB256MB512MB512MB
USBポート数1124
LANポートなしなしありあり
GPIOピン数26402640
記憶装置SDMicro SDSDMicro SD
消費電力1.5W1.0W3.5W3.0W
私はモデルBを所有している. RSコンポーネンツAmazon.co.jpから購入できる. SDカードを補助記憶装置として使う このちっちゃなPCはARMというプロセッサを搭載している. SDカードにはARM向けに最適化されたお好みのLinuxをインストールすることが出来る. 今回はシンプルで軽くかつカスタマイズ性の高いArchLinux|ARMを選んだ. 今回はMacOSXを利用した(一部Windowsユーザ向け)インストール方法を紹介する.

右に見えるちっちゃな基板がRaspberry Pi. この他に,
  • SDカード:2GB以上の容量が必要.
  • LAN環境:ネットワーク環境が整っていること.
  • Mac:ネットワークにつながったMacを一台.
  • LANケーブル:RPiとネットワークを結ぶ.
  • 電源:RPiはマイクロUSB端子による5Vを電源に動く.
を用意. モデルB+の場合,SDカードでは無くMicro SDカードが必要なので注意. 電源はマイクロUSBでしか給電出来ない. 5V(700mA以上)の電力が必要である. 私はマイクロUSB端子出力の充電器(スマートフォンの充電器)を利用している. HDMIで映像を出力し,USBキーボードを挿してセットアップを行っても良いが,折角Macとネットワークが有るのだからSSHを使う. MacからRPiへアクセスしセットアップをするのだ.

もし新品のSDカードでは無く,今まで使っていたSDカードを利用したいのならば,残っているデータの有無に関わらず一旦フォーマットし直したほうが良い. "SDFormatter"は非常に使いやすいSDカード専用のフォーマットソフトウェアだ. リンク先からダウンロードしよう. MacのSDカードスロットにSDカードをセットし,SDFormatterを起動,該当するSDスロットを選択して上書きフォーマットを実行するだけだ.
ダウンロードページからArchLinuxのimgファイルをダウンロード(末尾が.img.zipで終えているファイルを探してダウンロード). zipで配布されているので解凍しよう. ここではホームディレクトリ"~/"にArchLinuxのimgファイルを解凍したことにする. SDカートをセットしターミナルを起動.
diskutil list
でSDカードのマウント位置を確認しよう(例:/dev/disk1). 位置を確認したら,
diskutil unmountDisk /dev/disk1
でアンマウントをする. このアンマウントは他プロセスとの競合を避けるためなのでSDカード自体は抜かないでおく.
sudo dd bs=1m if=~/ArchLinuxARM_rpi.img of=/dev/rdisk1
と入力しArchLinuxをSDカードへコピーする. "if="まで入力したら,ArchLinuxのimgファイルをターミナルウィンドウへドラッグ&ドロップするとファイル名を入力する手間が省ける. ddコマンド実行中はしばらく待つ. コピーが終えたら,
sync
にてコピーとの整合性をとる. 異常が無ければSDカードを通常通りアンマウントし取り外す. これでLinuxのインストールは完了だ.
Windowsユーザの方は"Win32 Disk Imager"なるソフトウェアを使うことで,SDカードへLinuxをインストール(バイト単位コピー)出来る.

次回は一般ユーザの追加方法についてを紹介する. 初期状態ではルートユーザ,すなわち管理者としてしかログイン出来ない. このルートとしてログインすればシステムへの変更を自由に加えられるが,そのRPiを他のユーザと共有する事を考えると自由度が高すぎて危険である. このように,誰もが簡単にシステムを変更出来るような状態は望ましくないので一般ユーザを追加し,そこからRPiの機能を利用するようにする. それでは次回,SSH接続から一般ユーザの追加,さらにはホスト名の設定まで,ArchLinuxに慣れて行こう.
ArchLinuxセットアップガイド
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