思ったようには育たない. まっすぐに育てたかったけれど. 鉢を回したり,無理にまっすぐにしようと指で押してみたが,やっぱりこの蘇鉄は斜めに育つらしい. 本人がそう望んでいるか否かに関わらず. ならばいっそ,このまま放っておいてみようと思った. こうさせたいという気持ちを自分以外の生き物に押し付ける権利なんて,まったくないということに気付く. 成り行きに任せて,でも超えてはならない一線を,超えないように寄り添って.
知ったようになんだかんだ言ってくる人はいる. それもまた個性. でも外野がなんと言おうと,この蘇鉄を一番理解しているのはわたし. そんな雑音に耳を傾けていたら,蘇鉄が育つ音が聴こえなくなってしまう. わたしはわたし,あなたはあなた.
こちらの育てたいようには育たない. 例えそれが“正しい”と信じていても. 結局,生き方を選ぶのは本人だけ. 選べるのも本人だけ. 必要なのは見守り. それがこの蘇鉄を“信じる”ということだと思う. 信じていれば,立派に育つ. そう信じている. 信じるという愛情.
斜めだろうが,バナナのように曲がろうが,育っていればそれでいい. ただ,枯れそうになったら,しっかりと面倒を見る. それ以外にすることは無い. そう思うと,植物を育てることも“責任感”ではなく“楽しみ”に思えてくるし,実際,そうなのかもしれない. その結果どうなろうと,それもまた命の美しさ.
みんな違ってみんな良い. 優しい言葉がささやいた. 葉が一枚,出てきた.
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https://www.storange.jp/2019/03/blog-post.html
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それぞれのまっすぐ
2019-03-16T19:41:00+09:00
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Hideyuki Tabata
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