実用的な安定性能とポータビリティを極限まで追求したPeak DesignのTravel Tripod. 従来の三脚にあったデッドスペースを無くし,操作性も向上させた逸品.
アタッチメントはPeak Designの製品すべてに互換性のあるStandard Plateに対応. 脚の展開もスムーズに可能で,カメラの固定も流れるように行える.
雲台は自由雲台. 操作は雲台と一体化したひとつのリングで可能なので,よくある2軸のバーをそれぞれ操作タイプの三脚とは違った操作性である.
ここで気になる点は水平なパンのみを行いたい時などであるが,試してみたところ,程よい抵抗感とカメラ(35-70mmレンズ装着)の重量分散(バランス感覚)の良さが相まって片手で雲台を持ち,もう片方の手でカメラをパンすることでかなりスムーズな水平/垂直パンが可能であった.
ポートレート撮影(縦画面撮り)も可能なように,雲台は90度傾くのだが,設計の都合上左回りにのみ90度傾く. ただ,そちらのほうが特に一眼レフカメラの場合,シャッターボタンが上に来るため操作はしやすく,特段困ることも無い. ひとつ難点を言えば,ポートレート時に下を向くことが出来ない点である. ほんの少し,20度行くか行かないかしか上下方向を向けない. 雲台の不満点といえばそれだけ.
三脚のコラム(軸)は上下にエレベーションすることが出来,コラム下にはカウンターフックも突いているので,荷物などを引っ掛けることで安定性を増すことが出来る(重心が下がるため). また,コラムを取り外し,逆さまにすることで逆設置することも出来る(ドライバーなどの工具は一切必要ない).
ローアングルモード(脚を最大まで開く)にも対応しているが,こちらは付属の六角レンチにてコラム上部のみにバラす必要があるため,やや設置に時間を要する.
なお,脚に六角レンチ専用の着脱式ポケットが付いているので,六角レンチが無い!と騒ぐ必要はまったくない(それにこの六角レンチがカッコいい!).
もう一点,コラム下部のフックを取り外すと,スマートフォン用のアタッチメントがコラム内に収納されている. これを使うことでスマートフォンを三脚に固定,撮影することもできる優れもの!
安定性は1-3万円ほどのゴツい三脚とほぼ同等かそれ以上に感じた. 事実,三脚の安定性はそれ専門に研究し,Webサイトとして各社の三脚の安定性能をデータベース化しているDavid Berryrieserという方により検査されており,かなりの安定性能を担保していることが認められている.
素材はカーボンファイバーとアルミニウムの2種類あるが,軽量かつ安定性の高いカーボンファイバーを今回はBackした. 先日届いたので,近々三脚の写真を交えて説明を書き直したいと思う.