2021年になりました。2020年も多くを学んだ年となり、毎年のように年賀状とは異なった形式での“手紙”をお世話になった方などにお送りしました。
「これもまた過ぎ去る」という言葉はスーフィー教徒に語られる物語に登場するものです。英語で"This Too Shall Pass"と訳されます。原文はペルシア文字のようでしたので、それをカリグラフィペンで筆記したカードをNew Year Cardとして送りました。カタカタでペルシア語のものを無理やり発音(表記)すると、「イェン ニィス ボゥックサラット」でしょうか。文字が詰まっていたり、バランスが変なところもありますが、初学者の愛嬌として見ていただければと思います。
ペルシア文字は右から左へ読みます(現代日本語とは逆のRTLです)。また、文字同士が繋がる仕組みを持っているため、文字の連なり=文章になると、英語で言う筆記体のようなものになります。アルファベット的な単体文字(独立形)とは異なる形(末字形/中字形/頭字形)に変形し、文字同士を繋げ合う仕組みです。日本語の濁点のような仕組みもあり(より複雑ですが)、文字の上下に点などの記号を打つことで発音が変わる仕組みも有しています。何も知らずに形だけ見るとアラビア文字と区別が着きませんが、アラビア文字とペルシア文字は共通する部分は多くありますが、いくつかの差異ももちろんあります。
さて、「これもまた過ぎ去る」という物語やそれを伝えるペルシア文字の繋がる仕組みなど、わたしが昨年に思ったことや伝えたいと感じたことなどが豊富に含まれているように感じました(どのように受け取るかは人それぞれですが、ここに記した表面的な文意より深くを汲み取っていただけると幸いです)。裏面には各個人に宛てたメッセージ=御札的言葉遊びの数々を記しました。そのため日本語としての意味はほぼ無く、その文字の並びや文字自体の持つ意味の組み合わせ、見た目から引用による遊びなどを含め、見る人によっては奇怪に見える文字たちですが、意味よりも遊びを見出していただけると嬉しいです。
それではまた、おあいしましょう。