光の当たり方によってDUNEロゴの下に惑星のシルエットが。
アトレイデス家の紋章が光の反射で浮かび上がる側面。“Royal Ornithopter”という名の通り、アトレイデス家が使用するタイプのオーニソプター。ブクっとした見た目のハルコンネンタイプや、劇中後半でカインズ博士が用意してくれていた旧型オーニソプターとは違い、スリムな印象の機体だ。
ジオラマセットで撮影された製品写真がプリントされている。
外箱の蓋を開けるとシリアル番号の書かれたカードが入っている。Edition 500。
発泡スチロールでできた内箱にもDUNEのロゴが凹凸で記されている。よく見ればDUNEロゴは“E”の文字にある光の筋まで見える。こんなに細かな模様も浮かび上がるんだ…。
ビニールのベールに包まれたオーニソプター本体ときれいに並んだ羽が。
オーニソプター本体は砂漠を模した土台と一体となっている。羽は2枚1組で並んでおり、計8枚入っている。
すべて取り出して並べてみたところ。本体に対する羽の大きさや羽の枚数から、このサイズ感でも本当に飛べそうなデザインである。
羽を取り付ける前に記念写真をば。本体の塗装は控えめな色味でありつつも、砂粒に晒されたかのような粒子感あるディテールであることが伺える。いかにも軍用機といった地味な暗い色味だ。土台の砂漠は細かく波打った表現がなされている。
羽付け根のすぐ後ろにある排気口、後部から乗り込むために開いた状態のタラップ(乗降口)、着陸用の脚に至るまで比較的精巧なつくりである。
DUNEロゴに加えシリアル番号や製品名、各社ロゴ、コピーライト表記などが記されている。丸い滑り止めが4箇所にある。
地味な色合いの本体に比べ、羽は砂丘を思わせる黄土色。こちらも本体同様、砂粒感のある塗装が良い味を出している。
取り付け部分には1から8までの数字が彫ってある。もちろん羽を取り付ければ数字は埋まって見えなくなる。
本体の左側は羽を取り付ける凹み部分には1から4までの数字が彫ってある。羽の数字と対応した箇所へ挿し込むつくりだ。
右側には5から8までの数字。組み立て順としては4, 7 → 3, 8 → 2, 5 → 1, 6が良さそう。取り付け中に羽同士が干渉せず組み立てられるからだ。
形になったオーニソプター。昆虫チックでありつつも重厚感を併せ持った、唯一無二のデザイン。なお、本製品はStatue(スタチュー:立像)なので可動部分は一切ない。羽も動かせないし、脚も動かない。この形をたのしむのだ。
本体と羽の色によるコントラスト、砂粒感の効いたディテール、尻尾の先端に位置する推進装置までしっかりと表現されている。
折りたたまれた状態からやや展開しかけているところを再現したのだろう。そのため羽は飛行中に後ろを向く側が外側を向いている状態。羽、動かしたい。
台に乗せて目線を合わせて撮影。このタラップを駆け上がって操縦席へ乗り込みたい。
こう見ると昆虫同様、脚が6本あることが分かる。タラップに4本、操縦席下に大きめの脚が2本。この製品はスタチューなので重心の都合上、本体中央に支えが1本あるが、デザインが良いのでさほど気にならない。確か映画の撮影に使われた実物大オーニソプターにも同じような位置に支柱があった気がする。ここがオーニソプターの重心であり、支えるべき箇所なのだろう。
この特徴的な逆三角形のシルエットこそ、アトレイデス家御用達のオーニソプターだ。スタチューでは窓は透明ではなく本体と同じ素材。窓は凹凸と塗装で表現されている。下手に内部が見えるよりも重厚感があってよろしい。操縦席直下に、まるで小さな腕のようなライトが1対ついているのも分かる。よく出来ている。
操縦席側面は大窓の直ぐ後ろにはアトレイデス家の紋章がある。いいアクセント。しかし今にも動き出しそうなこの羽と脚よ。
意地悪なアングルから撮影。タラップの先は当然真っ平らに塞がっており、内部は表現されていない。しかし、少し凹んだ部分が真っ平らになっているため、普通に見る分にはまるでタラップの先まで表現されているように錯覚する。
まるで翼を折りたたんで、今から急降下を始めんとばかりの写りである。思えばこの機体に操縦者含め計11人(5人+6人)乗れるのだから、実物はさぞかし大きなものなのだろう。とはいえ、このスタチューもなかなかのサイズ感である。
George Hull氏の素晴らしいデザインを好きな角度から見ることができ、大変に良い。ブラックホークのような軍用機ならではの重厚感がありつつも、実際に羽ばたいて空を飛んでいても全く違和感のない現実味を併せ持っている優れたデザインだ。Denis監督の要望にこんなものがあった。「(わたしの)母が見てもこれなら空を飛べると信じられるデザイン。」劇中で羽ばたいている姿を見て、これなら飛べるよ!と思ったもの。あの世界ならば反重力装置もあるから、羽は補助のような小さなものでも良いはずなのに、しっかりとハチドリやトンボの如く羽ばたいていたので感動した。あの動きをVFXとして表現したアニメーターRobyn Luckham氏含めDNEGのアーティストたちへも敬意を。
VFXでは羽がどのように動けばピッチ、ヨー、ロールするか、実際にシミュレーションを行ったとのこと。また撮影時はヘリコプターを撮影し、その微妙な揺れをオーニソプターのモデルへ反映させることでより高いリアリティを持たせたのだという。また、あの羽のモーションブラー。誤魔化し無しで本当に、1フレーム中に何往復も羽ばたいた光の様子を、11近くにおよぶサブサンプリングステップを踏んで、しっかりとレンダリングしたのだそう。ハイライトの付与など見た目的な微調整ももちろん行ったようだが、あのモーションブラーには度肝を抜かれた。映画「ブラックホーク・ダウン」をオマージュしたワンカットは何度見ても鳥肌ものである。細かく知りたい方はDNEGアーティストによるVFX解説動画を観ることをおすすめしたい。
DUNE part IIのロケ撮影も今まさに進行中である。来年の公開が待ち遠しい…。いま一度、原作を読んでアラキスを夢見ようか。あぁ、part Iもいま一度IMAXで観たいなァ…。